国際結婚家族の海外旅行記録 

台湾人パパ、旅好きママ、たろちゃんの3人家族で節約旅行や英語教育。No Travel No Life.

2019年 パリ・ロンドン家族旅行⑥地下鉄で、「今何時?」スリの手口公開と、精神的ダメージの記録

2019年12月21日土曜日夕方 ルーブル美術館からの帰りの地下鉄一号線での出来事。

前回からの続きです。

ストの影響、もしくは土日の影響か夕方という時間帯の影響か、ウーバーは高いので、夕方の満員地下鉄でホテルに戻るしかなかった私たち家族。

地下鉄はとても混んでいるので、中ほどに乗り込むのは無理。

座るのはもちろん無理。

駆け込んで、窓際に立って乗るという方法しかありませんでした。

駆け込んだときに、少々違和感のある女の子二人組が、はしゃぎながら私の前に乗りこんでいました。。

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その子たちは、年は15歳ぐらいでしょうか。かわいらしい女の子二人。

一人は浅黒い顔をしていて肌荒れし、肌はボコボコしていますが、愛想がとってもいい女の子。

一人は金髪碧眼のそばかすがある白人の無表情の女の子でした。たぶん、大人になったら美人になると思います。

その二人に、私たちは次降りるから、あなたの窓際と位置を変わってくれない?と英語で言われ、窓際に立っていた私はなんの疑いもなくいいよ、といって彼女たちの内側に位置を変わりました。←この時点で、違和感もなくかなり自然に、たくみに台湾人パパとたろちゃんから引き離され、彼女たちと私の空間が出来上がる、という構図になっています。

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気がついたら家族から引き離されていました

そして肌の浅黒いソーシャル担当の子が、「今何時?」とニコニコ笑顔で英語で聞いてきました。

私は愛想のいい女の子でしたので、なんの疑いもなく、時計はコートの内側なので、この時点でカバンから両手を離し、右手でコートの袖をまくり、左腕を見せてあげました。←この時点で、カバンから両手が離れ、カバンを開けられる状態に!!

 

じーっと浅黒い女の子が私の時計をのぞき込み、「・・・」という数秒の時が流れ、

そこでようやく「はっ!!」と気が付いた私。

この子たち、スリだ。

「今何時」スリだ!!

悟った瞬間、ばっ!!とカバンに両手をやると、案の定カバンのチャックが半分開いているではないですか。

金髪碧眼スリは、左手に大きめの黒いカバンを持っており、右手はその後ろ側に隠しています。←違和感満載

私のカバンに直接手を入れているところではありませんでしたが、カバンを開けたのは絶対に彼女。

しかし、チャックを開けるジーっという音も、振動も全くしませんでした。

私は速攻で40ユーロとメインクレジットカード入れていたポーチをごそごそ探すと、ちゃんとありましたので、ほっとしました。

 

私は、その後、「あんただってこと、もう分かってるよ」という目で、金髪碧眼スリを真正面から見つめました。

彼女の目は、ものすごく無機質で・・・

あんなにきれいな青い目をしているのに、何も映し出していないような目です。

たぶんここで私が怒鳴り飛ばしても、

どうしてこんなことをしたの?だめよ?と優しく問いただしても、

おそらくなんの光も、映し出さない。

機械のような目をしていました。

 

そしてすぐに次の駅について、二人組のスリは年頃の女の子らしく、はしゃぎながら降りていきました。

 

呆然、でした。

そのあと台湾人パパに、「なんで時計見せてるのかと思った」と言われました。

私も、「今何時スリ」がいる、ってネットで読んで知ってたんです。

でも、疲れ切った足。疲れで、全く働かない頭。フランスの臭い地下鉄という慣れない状況。

知ってても、対応できないことってあるんですね。

わかってても、やられるんです。

 

カバンを開けられた!と一通り台湾人パパに騒いでから、怒りが沸き上がってきます。

ターゲットにされた!!

あんなにあんなにスリに注意していたのに・・・かわいい女の子だったから、気さくに話しかけられて、油断した!!

しかも、あの子たち、乗り降りのときはキャッキャとはしゃいで、どう見てもゲーム感覚でスリを楽しんでいる・・・

今頃また、私みたいな平和ボケしたアジア人を狙っているんだろう。

しかも、パリでは捕まっても、スリは軽犯罪だからって無罪放免ですって。

ってことは、こちらはただの、やられ損?盗られても、盗られ損ってこと?

そんなバカな話ある?

うわ~~~、腹立つ腹立つ腹立つーーーーー!!

そして周りの人たち、現地人なら、絶対わかってたでしょう?

誰一人、声すらかけてもくれなかった。パリの人って、なんて冷たい人たちなんだろう!!

頭が怒りでグルグルします。

 

ホテルに戻っても、怒りが収まりません。

ようやくスリが本当に我が身にも降りかかるんだということを実感した私は、改めてスリのことについて調べ倒します。

そしてこの手口できたら、こうしてやる。

あの手口できたら、こうしてやる。

と頭の中で予行演習を繰り返します。

 

そして・・・思い出しました。

我が家は、ロンドンへの移動はユーロスターに乗る予定でした。

パリが危ないと何も知らなかった物見遊山な気分のころ、「列車で国の移動もいいわね~☆」と軽い気持ちで予約したチケットがあります。

でも、そこの出発駅がなんと、あの「パリ北駅」。

「ガイドでも用事がない限り行くな」と言われている、治安の悪い場所らしいんです。

パリ北駅、で検索すると、在フランス日本大使館の記事で、お父さんが黒人の強盗に囲まれ、みぐるみはがれそうになってる間に、娘さんがiphoneをスられているという記事を発見。確か現金もすられたんだったと思います。

元記事はこちら↓

https://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/anzen/higaisha/h_5.html#chap01

 

・・・やばい。

家族三人、巨大スーツケースを持って移動中、もし台湾人パパが190センチ越えの巨大黒人に囲まれたら・・・

私、助けられない。

子供は大丈夫なんだろうか・・・。

こんな危ない駅で、どうやって我が身と家族を守ればいいの!?

どうして何も知らず、こんな危ないルートを選択してしまったんだろう。

バカな選択をしてしまった・・・。

恐怖と不安があとからあとから押し寄せてきて、その後の旅がめちゃくちゃ憂鬱になりました。

とにかく、来仏三日目で、パリには本当に悪い人がいっぱいいることを、身をもって知りました。

私は財布らしい財布を持ってなくて、たぶんお金が入っている袋がわからず未遂ですみました。

でも日本で平和に浸りきってボケていた私には、初めての目の前で自分のものを盗難されそうになったという事実に、精神的ダメージが非常に大きかったです。

 

ここで考えた対策は、

女の私は、カバンを持たない

です。

明日からの観光は、手ぶらで行くことに決めました。

水、手袋やマフラー、のど飴や化粧品などのこまごましたものは、台湾人パパとたろちゃんに持ってもらうことにします。

少量の現金とクレジットカードだけ、腹巻型のウェストポーチに入れておくことにしました。

もちろんパスポート、財布の次に大事なスマホは首からがっつりさげて、コートの中に入れて移動です。

日本から観光に来たばかりで、背中に危機感が全くない女性の私なんて、カバンを下げていたらパリ観光中はずっとスリの餌食にされるでしょう。まさにカモネギ

だから、もう、ネギを背負うのをやめました。

カモ(身体)本体だけなら、盗られるものもありません。

この作戦は、かなり良かったのか、次の日からは餌食を物色するような、おかしな目線を感じることがぐっと減りました。

 

パリって怖い。

いきなり目の前でお金や電話を本当に奪われるんだ。

本当に本当に、そんなことがあるんだ。

そんなことを考えながら、とっても嫌な気持ちで一日が終わりました。